FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年6月18日放送

今回は『伊勢高柳商店街振興組合』専務理事の和田幸夫さんがお客様。
6月の梅雨の頃に始まって、7月の夏の訪れまで行われる『高柳の夜店』。
今年は6月1日から7月3日までの開催です。
和田さんは、商店街でおもちゃ屋さん『ダイコクヤ』を経営され、小さな頃からずっとこの夜店を見てきました。
期間中の1・6・3・8がつく日と土曜日に行われるこの『高柳の夜店』は伊勢の人だけでなく、近郊のみなさんにも愛されてきました。
そして世代を超えて、今でも多くの人がおとずれています。

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正から始まった『高柳の夜店』は今年で100回目!

100回というと、始まったのが大正のはじまり。
戦争で3年ぐらい空白がありますが、ずーっと続いて、今年で100回なんですよ。
昔は毎回花火を上げていたのですが、犬が吠えるとかいろいろな苦情がありまして、最近では、はじめしか上げていません。
1・6・3・8の日になると、子どもたちが「高柳に行こうや!」と、言って、皆来るのが伊勢の伝統ですね。

6月というのは梅雨だし、あまりものが売れない時期。
また、他の地域でも祭りがない時期なんですね。
それで先人たちが戸板を並べて裸電球を出して、少しでも安く商品を提供しようということではじめたのだそうです。
初期は1・6・3・8日ではなく、1と8だけだった、1と6だけだったという説があります。
いつの間にか盛況になって増えて、1・6・3・8日と土曜日になったということらしいです。
伊勢の人だけではなく、近郊の人たちも「6月になったら高柳に行かなきゃ」という気分になるんでしょうね。
度会や志摩をはじめ、いろいろなところからお見えになると思います。
ありがたいことです。

終戦の時、私は5歳でした。
そこから3年くらいは、まだバラックを建てている時なので、夜店ができるような状況ではありませんでした。
それからどんどんバラックを建てて、少しずつ建物も良くなっていきました。
アーケードができたのが昭和38年。
当時としては斬新でした。
伊勢高柳商店街には戦前から組合があり、祖父が理事長をしていたのです。
戦前から続く組合はほぼないので、歴史だけは古いんですよ。
人間もみな、古くなってきましたね(笑)。

 

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天商のみなさんとも付き合いは長く、90代の現役も!

50代60代70代80代・・・90代の方も夜店の現役でいらっしゃいます。
私なんかより上手に色んな物を作ってもらえるんですよ。
夜店と商店街の交流がり、それで『高柳の夜店』は成り立っているんです。
今5歳になる私の孫も、商店街全体の孫みたいなもの。
どこに行ってもモノもらってくるし食べさせてくれるし、和気あいあいです。
90歳代の方は、布団屋さんや呉服屋さんなどをされていて、まだまだお元気。

一番高柳の夜店が華やかだった時代は、40年ほど前。
昔は商店街の中でも閉店した店舗はありませんでしたし、今は人はたくさん出ていても、なかなか売上につながらないんです。
当時は、初夏の時に出てきて、夏の準備するためのものを買って行かれました。
例えばすだれ、蚊帳など・・・そんなものがいろいろあり、各店とも売上がありました。
今はレジャー的な遊び感覚で出てくる人が多いので、なかなか売上に結びつかないですね。
この夜店は露天商のみなさんに助けてもらっていて、毎年60〜70店がズラッと店を出してもらいまして。
『高柳の夜店』は、高柳商店街と露天商のみなさんで作ってきた夜店なんです。

 

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も今も花火は人気! 今は日本さんの線香花火がオススメ!

『ダイコクヤ』を開業して、ちょうど100年になります。
私が3代目で、娘が4代目、5歳の孫が5代目としてやっていけるかどうか。
楽しみにしています。
お店はおもちゃを中心に子どもさんのものを販売しています。
昔も今も、夜店では花火がよく売れますね。
昔は特に、ものすごく売れました。
妻が主に販売していたのですが、お客さんの顔を見る暇がなかったくらい。
お勘定してお金をもらって、はいありがとうございました・・・だけで、けっこうな売り上げでした。
今も花火は売れますが、当時の数分の一です。

現在は花火のセット販売が主ですが、ウチでは今もバラでも売っています。
花火は今や、コンビニやスーパー、ホームセンターでも売っていますので、そういうところはだいたいセット。
ウチは中国製のもありますが、ちょっと高い日本製の線香花火も置いています。
10何本で1000円しますが、丸くなってパチパチする時間が、中国製に比べてとても長いんです。
一度見てもらうと、その違いがわかると思います。
ゆっくり選んでもらい、楽しんでもらえます。

この商店街は本当に古くからのお店が多いので、若い方も年配の方も、この機会にお店の中に入ってもらいたいですね。
中には博物館のようなお店もありますので、お店の人に声をかけてみてください。伊勢の人はシャイなんですが、昔話などを話しだすと面白いことがいろいろ聞けると思います。

 

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店の思い出を持ち帰ってください!

これは絶対ではないんですが、浴衣で下駄を履いて来てもらうと、雰囲気も良くて自分の気持ちもまた、変わると思うんですよ。
それから、小銭はかならず持ってきてくださいね。
露天商のお店もけっこうあるので、軽くつまみながら見てもらっても良いですね。
高柳の商店街としては中央にペントハウスもあり、その中には高柳で作った手作りのゲームも行っています。
現金でも、買い物をした時にもらう券でもゲームはできます。
けっこうハマりますよ!

今年はプロジェクションマッピングで、100年の歴史を2分半に凝縮して、みなさんにお見せします。
公園で映写をやっています。
伊勢ではまだプロジェクションマッピングはないと思いますので、ぜひ見てもらいたいです。
私が見た感想としては、「すぐに終わってしまった!」でしたが(笑)。

21日からは、『たかやなぎ今昔写真展』も開催し、商店街の思い出写真も、たくさん登場します。

『高柳の夜店』に来たら、ぜひ、思い出を持ち帰ってもらいたいです。
物を買ってもらうのももちろんですが、思い出作りが一番のおみやげになると思います。